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マレーシア遠征記②
- 2015/04/12(Sun) -
空港から伸びる夜明前の高速道路。日本から進出したらしき三井アウトレットパークを右手に見送り、タクシーは走る。暗闇の中に広がるヤシの木の群れに交じって、時折煌々と照らされた大企業の看板が行き過ぎた。

クアラルンプールには一度来たことがある。高校の修学旅行だった。ゾウヘ乗る体験やホタルの観察会は楽しかったものの、私が楽しみにしていたトレッキングの日はスコールに襲われ、ジャノメチョウ一頭しか見つけられずに帰国する羽目になった。当時は虫から興味が離れていたのは……今思えば幸いだったのかも知れない。

途中小さな休憩所に寄り、運転手とSは互いに無言で煙草を吹かす。街灯と自販機の灯りはあるものの辺りは暗い。トイレの壁にはヤモリが這っていた。
運転手は口数こそ少ないが言葉の端々に親切そうな雰囲気が感じられる青年だった。歳がよくわからないけれどもしかすると同年代かもしれなかった。煙草を吸い終えた後は水道でバシャバシャと顔を洗っていた。

再び出発。
ずっと続くかのように思えた 高速を降りると、やがて景色は農村のそれとなっていった。土の道に沿ってぽつぽつ点在する民家には鶏が飼われている。
6時を過ぎてもなかなか明るくならなかった空も白み始め、いよいよシダやヤシの木のような植物が勢いよく息づく山道をくねくねと進んで行く。夢にまで見たキャメロンハイランドに着々と近付いている。その頃になると眠気もなくなり、Sと私は道路の脇に矢鱈バナナが生えているのに気付くとカーブを曲がる度にバナナの花を探すという暇潰しをしていた(動体視力がだめなのか私は結局最後まで花がついているのを判らなかった)。多分運転手は日本語の会話の中 あまりに頻繁に「バナナ」「バナナ」と混じるので何事かと訝しんだに違いない。


そうこうするうちに、遂に車はタナラタの町に着いた。
Sが学生時代に来た時と同じホテルへ地図と記憶を頼りに運んで貰い、運転手とはお別れ。途中ガソリンスタンドで買ってくれた缶コーヒーは日本のものに比べてかなり甘かったのにカフェインはがっつりで、遠征の興奮もあいまって二人とも休憩など挟まずに朝から採集へ繰り出す気満々であった。
ホテルのマネージャーによる「追加料金を払うなら今すぐシャワーつきの部屋にチェックインが可能」という説明がうまく聞き取れず空港の職員と同じようにうんざり顔をされつつもメモとペンで何とかやりとりを済ませ、無事チェックイン。荷物を置いて町で朝食を摂った。

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「ナシ・アヤム」、現地の人の直訳によるとチキンライス。

缶ジュース類にストローが刺さっているのがなんだか新鮮だった。


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レストランの看板にも感じる異国情緒。

昼食用の携帯食料を別の店で確保した後、タクシー乗り場でブリンチャン山(Gunung Brinchang)に向かってくれるタクシーを探すことに。
タクシー乗り場で煙草を吸い吸い何やら話している運転手たちは空港タクシーとは明らかに雰囲気が違う。
目つきが鋭く、行き先を伝えると運転手同士で口早にマレー語が飛び交い、こちらにはわからないやりとりがなされた後に一人が「60リンギットでどうか」と訊いてくる。
OKと告げると車まで案内され、トランクに採集道具を積むのを手助けしてくれた。

ブリンチャンまでの道は休日に子どもの春休みが重なったらしく大混雑だった。
高原リゾートであるキャメロンハイランドではこの時期イチゴを猛プッシュしており、これでもか!というぐらいのイチゴグッズを売る土産物屋が何軒もある。イチゴ狩りや軽食屋等の施設には十分な駐車場がないためマレーシア国内からの観光バスなどが道の端に停めてあるせいもあって車はのろのろとしか進めない。
トラックの荷台にスカーフを巻いた女性たちがこちらを向いて器用に乗っていたり、こぼれ落ちそうな数の段ボールを積んだ車がかなりきわどい運転でのろのろ運転の車たちを追い越して行ったりと 面白い出来事もあった(タクシー代がいくら嵩もうと絶対レンタカーなどできないなと悟りもした)。

そうこうするうちに山の入口となる道へ入り、2台がすれ違えるギリギリの幅の道を山頂に向かって進んで行く。
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突然目の前に現れた広大な茶畑。
イギリスに統治されていた過去を持つこともあり、ここでは紅茶の栽培が盛んだとのことだった。

途中茶摘み体験のできる場所や「Mossy Forest Walk」と称されおそらく雲霧林のツアーのようなものをやっている場所を通り過ぎ、軍の施設と鉄塔のある山頂へと到着した。


いよいよ採集のスタートだ。
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マレーシア遠征記①
- 2015/04/05(Sun) -
3月14日、夕方。
私は成田空港のカフェでタコライスを掻き込みながら人を待っていた。
これから海を越え遠い異国、夢にまで見たマレーシアはキャメロンハイランドへ旅立つのである。傍らに置かれた荷物の中で一際目立つ長いものは言うまでもない、甲虫を採集するための叩き網だ。
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この叩き網―同行者兼交際相手から長竿は捨ててビーティング一本に絞り込む作戦を遂行するため忘れたらただではおかないと念を押されていた叩き網―が後に数奇な縁を引き寄せることをこのとき私はまだ知らない。無駄に気合いを入れてこの旅のために買ったカーキ色のキャップ帽を 小一時間後に店に現れた同行者=Sにださいから脱げと言われることも勿論知らない。
Sが店に着いた時は、ちょうど美容院に着付けの予約を入れている最中であった。帰国から数日後に大学院の修了式を控えていることを急に思い出し、慌てて振袖を着せてもらえる先を探していたのだ。

合流後、薬局や書店で必要な物を買いSが寿司を激しく所望するので寿司屋へ。
チェックインや手荷物検査を無事通り抜け、ロビー入りを許された。
私は手荷物に歯磨きチューブを入れてしまい、やむなくゴミ箱へ。。。
あれって、容器が100mlというだけでもだめなんだ。
さて。しばしさよなら日本。いま会いにいきますマレーシア(の虫達)……。



最初に感じたのは熱気だった。
空気が熱さと湿気を持っている。日本の梅雨ともまた違う。何かはわからない、エネルギッシュさをはらんだ気候だった。
今回の旅の「英会話担当」に任命された私が上陸後、初めて活躍したのは預け荷物の受け取りについて、「長いものはあっちの場所で受け取りですか」だった。次は空港タクシーの受付で「タナラタまで行きたいんですが」。いずれも職員の態度のクールさにしばししょんぼりした。こちらの人はたとえサービス業であれど、意味なくニコニコはしないらしい。


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(荷物を待機中)


なんとかタクシーの運転手に行先を伝え、いざキャメロンハイランドへ。
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ゆけむりぶらりブナ帯採集・後編
- 2014/08/11(Mon) -
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思い出はいつの日も、雨・・・・・・。

雨にけぶりし橅林、いとゆかし。ですが・・・



翌日は残念ながら虫が飛ばず、祖母がイキイキと山菜(やはり季節がずれているのか日照時間が短いのかまだゼンマイが採れるのです。また”ミズ”と呼ばれるウワバミソウも)を新聞紙で包んでました。
母は雨の中コブヤハズ狩りに特攻しましたがびしょぬれで戻り温泉へ。
私はパワポ作りと前日の採集品のソーティング。


そして夜。


雨が止んだので街灯めぐりでもしようと外へ出てみると・・・

道路を歩いていたミミズやカマドウマなどが車に轢かれて死んでる。


そしてそこに・・・


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きた!
キタカブリ・・・!!


以前虫嫌いな先輩にも「ウイスキーボンボンっぽい」と言わしめた日本産離れした美しさ。


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クロナガオサムシの東北亜種らしきものも。

ちょっとタイミングが遅かったら餌もろとも轢死してたかもしれない。運良く採れて良かった。

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普段見かけない顔ぶれ。


翌日は午前中ちらっとアジサイを見に行き、再びバスで下界へ。

お土産に漬物や日本酒を買い、祖母に見送られゲリラ豪雨の東京へ戻って参りました。



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楽しかった。
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ゆけむりぶらりブナ帯採集・前編
- 2014/08/08(Fri) -
「コブを採りに行こう」
母がそう言い出したのは、鬱々としていた梅雨のころのことでした。

母は私の博物館通いをきっかけに本格的に虫を始め、ここ10年ほどで主婦→虫好きの主婦→博物館のボランティア兼カミキリ屋主婦→蜂の生態を研究する主婦
とセミ並の変貌を果たしていった主婦なのであります(ここまで書くと余裕で特定できるかも知れない)が、彼女が何度かコブヤハズを採りに訪れたというブナ帯の中にある鄙びた温泉に、気づけば母・祖母・私の三人で小旅行という運びになっておりました。

学会発表前で気持ち的にとてものどかに旅行という感じではないのですが、採集も兼ねてなら行くしかないですよね………。

山道をくねくねと来たバスを降りると、東北の山の中なので気温からいる虫から全く違います。
アオハムシダマシやイタドリハムシが今の時期にブンブン飛んでいるのには驚きました。
このまま下界も、都内も、季節が春まで逆戻りしてたらなあ・・・。
実際は帰京すれば浦島太郎になるのに違いないのだけども。

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ブナ林を進んで行くと・・・
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変形菌(twitterでムラサキホコリの一種と教えていただきました)が生えていたり。
幻想的とまではいかないけれど、標高が高いためかどこか非日常的な雰囲気の環境。

カミキリ狙いだったので花を探したのですが…なんと、衝撃の事実。



花が アジサイしか咲いていない・・・!!!




(;゜;言;゜;)・・・・・

これでは・・これでは、ハナカミキリの類とかの成果は見込めそうにないことに。


どうしたものかと思いましたが、実はこのことがきっかけで 予想外の展開をもたらすことになります。
当初思い描いていたのとは違いましたが非常に面白い採集となりました。


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なんとこのしょぼ控えめに見えるアジサイに、本来文字通り高嶺の花に飛来するはずの虫が集中的に来てくれていたのです。おもにハナアブ。

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マツムラナガハナアブ Spilomyia permagna Stackelberg,1958.

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シロスジナガハナアブ Milesia undulata Vollenhoven, 1863.

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キバラナガハナアブ Macrozelima hervei Shiraki, 1930
.


隠れハナアブ屋である母、歓喜。


ハナアブなぞ普段は目もくれぬ私もこれらの種の芸術性には圧倒されました。
ハチに擬態しているのですが、ハチよりもハチらしい姿を見ると 歌舞伎の女形とかMALICE MIZERのMana様に通じる徹底ぶりを感じるような。(ちょっとちがうか)


カミキリは残念ながらヨツスジぐらいしか採れませんでしたがとりあえず毒瓶の中身は充実。


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宿では山菜や川魚、地ビールなどを満喫し、合間にちまちま学会発表用のパワポづくりなど。




とりあえず前半としてはこのぐらいにさせていただきます。

後半はその他に採れた虫など載せてみます。




ではでは…


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鬼に邪無し
- 2014/07/22(Tue) -
7月6日、夜。


私は東京へ向かうレンタカーの後部座席で道路沿いの城のような建築と変な名前(なぜか欧米の地名が多い)をぼんやり眺めつつ、とある虫を入れたタッパーを抱えていました。
腹部が大胆に露出したデリケートなその虫は、暑さや乾燥がすぎると死んでしまうのです。
カミキリらしからぬダイナミックな体つきや鮮やかな山吹色と黒とのコントラストからは想像できぬほど繊細で、よく見るとつぶらな眼をしているのでした。

その名はNecydalis gigantea--ギリシャ語で巨人、日本語では鬼と名付けられた虫屋垂涎の大物。
私は無謀にもこの種に挑む機会を得ながらも敗北を喫し、同行させて貰った先輩方の採集品をハンカチを噛みながら見るしかなかったのでした。


1日前。


某N大学の研究室のメンバーから結成された討伐隊。虫への情熱と知識では全国指折りの精鋭部隊であるだけに、ご縁あって素人が便乗させていただく機会というのは非常に貴重なものでした。

採集地ではのっけから先輩が葉裏から1♂を手中に納め、一気に士気が上がったり。
別の方が♀をとても真似の出来ない方法でフライングゲット(意味が違うか)したり。


私が採るものはと言えば、ネキらしき虫はネットに入ったとたんに全てガガンボやらアメバチやらに変わるという怪奇現象に見舞われ、初日はかすりもしない結果に終わったのでした。


夜にはライトトラップに参加させてもらい、好みの蛾を採って憂さ晴らしでした。
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蛾ではやはり気が晴れたとは言えないのですが…。


翌日。


朝、前日に採れた場所をいち早くチェック…………しましたが、やはりそう簡単には採れないのですね。


この日私が取った戦法は、身体能力での勝負は不得意なのを自覚しているため、カマキリよろしくひたすら空中を見ながら前に採れたスポットで待ち伏せしようというものでした。

しかしそれが失敗だったとわかります…………。



「来栖さん」

突然背後から声をかけられ、振り向くと先輩がかがみこんでいます。

「すみません、」


σ(o'ω'o) ?




「採れた!!」



  。 。
 / /
( Д )





( Д ) ゚ ゚

     



( Д )  .._。.._。




ネットの中には…それまでさんざんガガンボだの寄生蜂だので似たようなのを目にした警告色、しかし今回のはそれらではなく、…………





…私はよりによって自分の真後ろにある樹の葉裏にいたのを見逃し、今回の遠征、無残な惜敗に終わったのでした。



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いただきもの(さわださん撮影)。


いつか…………自力での採集が叶いますように…………。
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